大手製薬企業とPMDAの見学 [ちょいと明るい話題]
先日は、日本の大手製薬企業の研究所の皆様と、薬を科学的に審査する医薬品医療機器総合機構(PMDA)の皆様にご協力頂き、大学院生と社会人学生の皆さんに見学の場を提供して頂いた。
これは私が中心となって、多くの企業やPMDAの皆様にご協力頂いて、社会人学生と大学院生を対象に実施しているオミックス創薬という講義・演習の課外演習の一つである。
私たちのオミックス創薬とは、
1.創薬から育薬まで全体をお話しすることで、分子から臨床まで全体を教えること
2.製薬産業に関する一連のR&Dの場を、学生や社会人の皆さんに見てもらうことで、
1)働く場を知る機会を提供すること
2)オミックス技術のような最新技術を社会で応用するためのヒントを考える場を提供すること
等などを目的として、4年前に大学院で開講した講義・演習だ。
さて企業の研究所では、ピカピカに清掃が行き届いた研究室の中で、世界最新の装置を駆使しながら生き生きと働く研究者の姿があった。新薬発見を目指して皆真剣勝負だ。
ドイツや中国の留学生も一緒に連れて行ったので、研究者の皆さんの説明は英語でお願いした。さすがに一流企業で働く研究者の皆さんは、しっかりとした英語で解説してくださる。グローバルに活躍する研究者の皆さんなのだろう、実に頼もしい限りだ。
一方、PMDAというのは、製薬企業から出される薬剤のデータを科学的に審査を行う国側の機関である。そのため、製薬企業とはある意味では相対する機関である。
PMDAの役割と活動をご講義して頂いた後、廊下を歩いているときに、ドア越しに偶然にもPMDAと企業の皆さんとの面談がまさに始まるタイミングに遭遇した。
面談というのは、企業側とPMDA側の両者がお薬の効果と安全性を科学的に議論する場だ。両者の緊張感が、廊下を歩いていた我々にも伝わってくる。
この面談というのは真剣勝負で、一般の我々がまず見ることができない厳しい科学的な議論の場だ。
この日は、4つぐらいの別々のグループが、1時から始まる面談のために来ていたようだった。
多くのグループには、外国人がいたことから、それらのグループはおそらくは外資系企業なのであろう。海外からの助っ人だ。グループ同志では話をしていなかった様子から、おそらくライバル企業同士なのだろう。
面談は日本語で実施されるので、外国人がいる場合は英語が同時通訳される。そのため通訳者の実力は、正確なニュアンスを伝えるためにも非常に重要となる。外国人のスタッフの態度を見ていると、通訳者の実力がよくわかる。よい通訳者の方の場合、必ず外国人のスタッフは、通訳の方にお礼を述べるからだ。
薬というのは、10年にも及ぶ長い研究の後、このような様々なトップサイエンティストや一流の通訳者などの協力の下、厳しい面談や審査を経て私たちが利用できるようになるのである。ほんの一瞬ではあったが、そのような緊張感ある場に、大学院生や社会人学生の皆さんを連れて行けることができてよかった。
ちなみにPMDA(Pharmaceuticals and Medical Devices Agency)というのは、
米国で言うとFDA(U.S. Food and Drug Administration:アメリカ食品医薬品局)、
欧州でいうところのEMEA(European Medicines Agency:欧州医薬品庁)である。
一言でいうと薬の審査という点では、薬の科学的な検討(効果があるのか、安全なのか)を行う機関だ。私たちの健康は、このような厳しい科学の審査の上に守られているのだ。
(PMDAの役割 WEBサイトより:当機構は、医薬品の副作用や生物由来製品を介した感染等による健康被害に対して、迅速な救済を図り(健康被害救済)、医薬品や医療機器などの品質、有効性および安全性について、治験前から承認までを一貫した体制で指導・審査し(承認審査)、市販後における安全性に関する情報の収集、分析、提供を行う(安全対策)ことを通じて、国民保健の向上に貢献することを目的としています。)
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1)働く場を知る機会を提供すること
2)オミックス技術のような最新技術を社会で応用するためのヒントを考える場を提供すること
等などを目的として、4年前に大学院で開講した講義・演習だ。
さて企業の研究所では、ピカピカに清掃が行き届いた研究室の中で、世界最新の装置を駆使しながら生き生きと働く研究者の姿があった。新薬発見を目指して皆真剣勝負だ。
ドイツや中国の留学生も一緒に連れて行ったので、研究者の皆さんの説明は英語でお願いした。さすがに一流企業で働く研究者の皆さんは、しっかりとした英語で解説してくださる。グローバルに活躍する研究者の皆さんなのだろう、実に頼もしい限りだ。
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面談というのは、企業側とPMDA側の両者がお薬の効果と安全性を科学的に議論する場だ。両者の緊張感が、廊下を歩いていた我々にも伝わってくる。
この面談というのは真剣勝負で、一般の我々がまず見ることができない厳しい科学的な議論の場だ。
この日は、4つぐらいの別々のグループが、1時から始まる面談のために来ていたようだった。
多くのグループには、外国人がいたことから、それらのグループはおそらくは外資系企業なのであろう。海外からの助っ人だ。グループ同志では話をしていなかった様子から、おそらくライバル企業同士なのだろう。
面談は日本語で実施されるので、外国人がいる場合は英語が同時通訳される。そのため通訳者の実力は、正確なニュアンスを伝えるためにも非常に重要となる。外国人のスタッフの態度を見ていると、通訳者の実力がよくわかる。よい通訳者の方の場合、必ず外国人のスタッフは、通訳の方にお礼を述べるからだ。
薬というのは、10年にも及ぶ長い研究の後、このような様々なトップサイエンティストや一流の通訳者などの協力の下、厳しい面談や審査を経て私たちが利用できるようになるのである。ほんの一瞬ではあったが、そのような緊張感ある場に、大学院生や社会人学生の皆さんを連れて行けることができてよかった。
ちなみにPMDA(Pharmaceuticals and Medical Devices Agency)というのは、
米国で言うとFDA(U.S. Food and Drug Administration:アメリカ食品医薬品局)、
欧州でいうところのEMEA(European Medicines Agency:欧州医薬品庁)である。
一言でいうと薬の審査という点では、薬の科学的な検討(効果があるのか、安全なのか)を行う機関だ。私たちの健康は、このような厳しい科学の審査の上に守られているのだ。
(PMDAの役割 WEBサイトより:当機構は、医薬品の副作用や生物由来製品を介した感染等による健康被害に対して、迅速な救済を図り(健康被害救済)、医薬品や医療機器などの品質、有効性および安全性について、治験前から承認までを一貫した体制で指導・審査し(承認審査)、市販後における安全性に関する情報の収集、分析、提供を行う(安全対策)ことを通じて、国民保健の向上に貢献することを目的としています。)
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