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北里大学臨床薬理研究所を訪問 臨床試験に思う [ふーん なるほどサイエンス]

本日は、大学院生と社会人学生と北里大学臨床薬理研究所を訪問するために東京・広尾に来ている。この研究所は、人における最初の臨床試験(基礎研究で見出された薬の種を、初めて人で試してみる試験のこと)を中心に実施している日本でも有数の研究所だ。

大学で単に臨床試験の話をするだけでは、なかなかイメージも湧かないし課題なども伝わりにくい。
実際に臨床試験の現場を見て、現場の先生から現実的な話や日本の治験(臨床試験)課題を直接伺うととてもよく理解できる。

私たちのオミックス教育の中のR&D Internship の一環として、北里大学にご協力頂いて実施している活動だ。今年で4年目だ。今回特に深刻な課題として感じたのは、本来であればボランティアとして入るべき臨床試験に、同時にいくつもの試験に入る人々がいるという問題だ。これは以前から問題になっていたことだが、その数が増えていることが気になった。

では、複数の試験に入ると、どのような問題があるのだろうか?
複数の試験に入ると、複数の薬を投薬されることになる。まだ薬の飲み合わせに関する安全性がわからない段階でそのような飲み方をしたら、予想できない副作用が起こるかもしれない。

例え問題がなかったとしても、得られた効果や安全性がどの薬によるものかがわからなくなってしまう。結果として、データの信頼性がなくなる。これは成績に影響する。場合によっては、本来であれば使えるようになる薬が、信頼性がないデータのために試験が失敗したら将来薬として使えなくなる可能性もある。

もう一点重要なことは、国際的に各国で同時に試験を実施する時代なので、日本は諸外国から信頼できない国として相手にされなくなることも考えられる。その結果として、せっかく世界ではよい薬が使えるようになっていても、日本では使えない状況になるかもしれない。

私たちの大学での教育活動は地味な活動であるが、このような重要な問題点を学べる場として、今後も多くの先生方と協力しながら継続していきたいものだ。

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