SSブログ

これからのバイオ人材の育成 政経塾ではなくバイオ塾? [ふーん なるほどサイエンス]

某経済産業省の有識者会議へ参加。

事前に2つのワーキングチームでブレインストームを行い、その意見を取りまとめる。2つのチームが合わさった段階で別の角度からの意見が入る形となり、議論に深みが出る。テーマは、これからのバイオ産業を育成すべき人材とそのための提言。

詳細は後に公開される報告書に譲るとして、共通していた認識は、実験室での結果はスケールアップした現実のものとは異なるということ。特に蛋白質の取り扱いを知らない学生が多く、これは、バイオロジックスのようなものを作る視点から考えて、大きな問題であるという議論だ。

学生のときに蛋白質を扱っていたが、蛋白質というのはDNAのように保存が容易ではなく、ちょっとした条件で簡単に変性する。変性すると、蛋白質の命ともいえる機能が失われてしまう。
実は、蛋白質はとてもデリケートなのだ。

これは教科書を読んだからとか、少しやったことがあるからというのでは理解できない世界。蛋白質の取り扱いを感覚でわかるには、やはり10年ぐらいは試行錯誤がいるのかもしれない。さて自分はというと、蛋白質とのお付き合いは、やっぱり10年ぐらいは苦労している・・・ なかなか難しいんだよね。

またもう一つ気になったのは、規制に関する認識の低さである。研究が私たちの健康に寄与することを考えると、どうしても最後はどうするの?という認識が必要だ。安全でないと自分の体には使えない。当たり前のことだが、そんなことも考えずに研究を進める人がいる(というか、ほとんどか?)。

研究はお金がかかるので、始める前にしかるべき人に相談しよう(一番いいのは、医薬品医療機器総合機構PMDAかな?、次はしっかりとしたコンサルタントだろう)。やったはいいが、使えないデータ。どうする??

人材のお話に戻って、ではどうやって若い人々に伝えればよいのか、メンバーで熱心に検討する。

今の大学にお願いするはちょいと難しかろう。何故なら現実社会や企業のことをよくわかっている教員は一握りで、その先生達は全国でバラバラに散らばっている。また、学内においては、おそらく浮いてしまった一匹狼やエイリアン的な存在であろう。

こうなると、やはり新しいコンセプトにあった別組織を作ってみる必要があるのではないかと思う。学校にするには、省庁間の壁が問題になろうから、話し合っている間にタイミングを逃すだろう。「塾」のような形で発足するのも一案ではないかと思っている。政治・経済の塾があるんだから、バイオの塾があってもいいじゃないか、と思う。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:学校

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。